2011年 03月 7日 12:28 JST
[ワシントン 6日 ロイター] 米航空宇宙局(NASA)の宇宙生物学者リチャード・フーバー氏は、3つの隕石(いんせき)から小さな化石化したバクテリアが見つかったとの報告書を発表した。これらの微小な生命体は地球外のものだと主張している。
同報告書は4日遅く、専門誌「コスモロジー」の電子版に掲載された。仮に内容が事実だと確認されれば、宇宙にはほかにも生命体が存在し、地球上の生命が太陽系内の別の場所からもたらされた可能性も示すことになる。
同誌は7日から紙でも発行されるが、今回の報告内容が議論を呼ぶことは必至で、編集者は別の研究者の見解も求めている。
フーバー氏は、粉砕した3つの隕石の内部断面に、シアノバクテリア(藍色細菌)に似た微化石の痕跡を発見したと主張。6日のロイターの電話取材に対し、これらの微細構造体には炭素が多く含まれており、窒素はほとんどなかったと説明した。
窒素が存在すれば地球上生命の兆候にもなるが、それがなかったことは、微細構造体内の窒素は遠い昔にガス状のものに分解していたことを示すとフーバー氏は主張。「炭素質の隕石内に非常に興味深いバイオマーカーがあることは長く分かっていたが、いわゆる地球外シアノバクテリアに非常に近い構造体の発見は、生命の存在が地球に限られたものではないことを示す点で興味深い」としている。
Reuters ロイター
隕石に地球外生命の化石か…NASA研究者
読売新聞 3月7日(月)12時32分配信
【ワシントン支局】米航空宇宙局(NASA)マーシャル宇宙飛行センターのリチャード・フーバー博士が、地球外の微生物とみられる化石を隕石(いんせき)の中に発見したと、4日の専門誌「ジャーナル・オブ・コスモロジー」電子版に発表した。
ロイター電によると、生命が地球外で生まれ、彗星(すいせい)などによって運ばれてきた可能性を示すが、論争は必至で、同誌は多数の研究者に検証を呼びかけている。
フーバー博士は、アフリカなどで採取された隕石3個の断面を調べ、原始的な生物の藍藻類に似た構造の痕跡を発見したという。痕跡には、生命を形作る基本元素のうち、窒素がほとんどなく、同博士は「太古の時期に抜けてしまった」と推測している。
NASAは1996年にも、隕石から火星の微生物の化石を発見したと発表したが、決定的証拠が得られず、批判を集めた。
読売新聞 Yomiuri Online
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